医療格差を解消する新たな手立てとして、デジタル技術を活用した革新的な取り組みが大きな期待を集めている。その代表例が、自宅にいながらパソコンやスマートフォンを通じて専門医の診察を受けられるオンライン診療だ。これまで病院へ足を運ぶことが難しかった人々に対しても、自宅にいながら適切なアドバイスや薬の処方を提供できる点は非常に画期的といえる。通院にかかる時間や体力の消耗を大幅に軽減できるため、近くに大きな病院がない地域に暮らす高齢者や慢性疾患を抱える人々にとって、頼もしい手段となっている。

さらに、医療機関同士をネットワークで結び、現地で撮影したレントゲンやCTなどの精密データを遠く離れた専門医へ送って解析してもらう遠隔画像診断の技術も急速に広がりを見せている。専門医が常駐していない地域のクリニックであっても、都市部と同等レベルの精密な診断を受けることが可能となり、早期発見や適切な治療計画の立案に大きく貢献している。

しかし、これらのデジタル技術を全国のすみずみにまで普及し、機能させるには、安定した通信環境の整備が必要となる。山間部や離島など電波の届きにくい地域での通信インフラの構築を進めると同時に、デジタル機器の操作に慣れていない高齢者等への丁寧なサポート体制を整えなければならない。通信インフラの高度化と人の手による手厚い運用サポートを両立させることができれば、場所を問わず、誰もが高度な医療の恩恵を等しく受けられる状況を作り出せるだろう。